琉球補聴器(那覇市)の2代目社長、森山賢氏(47)の経営者としての原点は、全社員を前にした土下座と謝罪だった。
「恥ずかしい思い出。しかし、あの出来事がなければ今の私はない」。就任直後は、新米社長の自分を会長として支えた、父であり創業者の勝也氏(72)に反発してばかり。「生意気」な社長だった。
就任から約3年が過ぎた2011年の夏。全社員に呼び掛け、将来のビジョンを考える宿泊研修を沖縄本島南部で開いた。
約30人の社員に、無記名で将来の夢を付箋に書き出してもらった。「新車を買いたい」「自社ビルを建てたい」。私的なものから会社のことまで、約800もの願いが飛び出し、会場が盛り上がった。
事件は「夢を阻害しているもの」を洗い出す作業で起きた。内容別に分類されて貼り出された中で、ひときわ大きなスペースを占める「阻害要因」があった。「何だろう」。近づいた賢氏は絶句した。
「社長が本気で変わらないと会社はつぶれる」「創業者への尊敬の思いが感じられない」-。そこには自身に向けられた社員の不満があふれていた。
「先代に憧れて入社したが、当時のトップがあなたなら入社していない」。その後のセッションで、とどめを刺すように口頭でも批判を浴びた。賢氏は土下座し、泣いて謝罪した。悔しさがこみ上げたが、ふと別の考えがよぎった。
「みんな、俺が変われると期待しているからこそ、あんなことが書けたのではないか」。そう考えると、逆に感謝の涙があふれた。
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Source: マネーニュース2ch
生意気2代目社長、社員研修でフルボッコにされ土下座&泣きながら謝罪